子ひつじは迷わない 回るひつじが2ひき (角川スニーカー文庫)
玩具堂 (著), 籠目 (イラスト)
あらすじ
生徒からの信頼度が急上昇中の「迷わない子ひつじの会」。生徒会長の機嫌が上々なのはよいのだが、今度はどう見ても生徒じゃないメイド服装の女の子を連れてきた。しかも彼女の相談は“オムライスが殺しを呼ぶ怪事件”とやっかいな内容で、成田真一郎ことなるたまたちには手におえない!こんな時はやっぱり隣の部屋の毒舌ツンダラ娘、仙波に力を借りに行くしか☆ω☆しかし彼女はいつも以上に不機嫌でやる気がなくて―。
感想
新キャラや前巻で関わったキャラ達も交え、じわじわ来る面白さがさらに積み重なる巻でした。
生徒会主催の「迷わない子ひつじの会」に相談された幾つかの悩み(事件)をツンダラ娘こと仙波明希が安楽椅子探偵のごとく解き、主人公なるたまがおせっかいで相談者にとってベストな形の解決となるよう奔走する。スタイルは1巻と変わらないけど、主要キャラの個性や立ち位置が掴めているところに仙波と関係のある新キャラや前巻での相談者も加わり、謎解きと解決方法の斬新さもあって進展が楽しみな内容でした。
まず最初の謎解きが意外。恋愛方面の悩み相談で国語のテストを解くことに……?
問三が分かったのでいけるかなと思ったけど、結局早々に投げ出したら「ああ、なるほど」と思うシーケンスでの解答方法でした(く、くやしくなんてないんだからねっ!)
ある意味ただのミステリー風味で終わらないこの作品らしさを表してるなーと思いました。
二つ目は、オムライスの日に殺される……虫や鳥?
作風的に殺人事件とかはなさそうな作品ですが、それでも一番のミステリ要素を感じる話でした。解は別として。明るく引っ掻き回してくれる妹ちゃんも別として。
それにしても妹ちゃん、今後の活躍が楽しみです。
三つ目は、そうだ野球をしよう?
悩み相談から紆余曲折あって女子ソフトボール部と試合を行うがんばれラミーズ(ネタ分からない)迷わない子ひつじの会。こういう展開、好きです……!
会長大活躍でまた新たな一面にノックアウトされた気分です。はい、会長大好きです!
そんな感じで謎解きと解決手段がバラエティ色豊かな巻だったんですが、傍らで絡んでくる青春模様というか恋愛(未満)模様も見逃せない。恋愛方面のベクトルが見えているのに一筋縄ではいかない感じが面白いですね。
なるたまが仙波ちゃんに嫌われすぎててデレの要素が全然見えない!
でもそれだけ嫌ってるってことは気にしてるってことでもあるんですよね。転ぶ可能性はありそうだし、それを想像するのも楽しみだったり。
あ、でも個人的には会長が一番気になってます。おっとり笑顔の裏で実は計算高い面があるのがステキ! かと思えばカワイイ面もあったりでギャップがいいですね! 野球回での活躍振りもすばらしかったです。
気がつけば読書メーターの感想では毎回「会長ステキ」を含んでいたり……